明大中野と昭和一学園、秋季大会を控えて最後の仕上げは明大中野に軍配



明大中野・阿保快人

 甲子園では、第103回選手権大会の決勝が、智辯学園智辯和歌山という兄弟校同士で、まったく類似したユニフォーム同士の対戦ということでも話題となっている。

 その決勝が行われている日、紫紺を基調とした白の3本線のストッキングと、胸に紫紺文字で筆記体表記と、比較的似た同士のユニフォームでの対決が行われていた。1週間後の今週末には、秋季大会一次ブロック予選が開幕する東京都の高校野球。昭和一学園明大中野の試合は、近年では夏休み練習の仕上げと言ってもいい、最後の対外試合として、昭和一学園明大中野の南野グラウンドへ出向いて定例的に組まれているカードでもあるという。

 明大中野の南野グラウンド。多摩センター駅からバスで10分ほど揺られ、恵泉女子学園大入口という停留所で下車すると、すぐに、それらしきネットが目に入る。東京都の高校野球に詳しい人であれば、多摩一本杉球場のすぐ近くということで分かるであろうか。左翼100m右翼103m中堅112mというサイズで、右中間の膨らみが少し少ないが、ファウルグラウンドも広く取れており、都内の学校グラウンドとしては屈指の好環境と言ってもいいであろう。

 今週半ばにはもう9月になり、新学期も始まっていくというところだが、新型コロナの感染拡大は一向に収まっていく気配がない。そんな中、各チームは近づいてくる秋季大会へ向けて、限られた条件下で調整していかなくてはいけない。例年に比べて、チームの調整具合を試す練習試合の数は少ないという現実は否めない。それだけに、試合を組める一つひとつは、とても大事な試合ということも言えよう。

 「秋季大会へ向けて、最後の調整の試合」という意識で取り組んだ両校。

 昭和一学園の大山、明大中野の阿保が、ともにいい入りで三者凡退という立ち上がり。これは、いい投手戦になっていくのかなという感じの滑り出しだった。

 しかし、2回に明大中野は二死から6番菅原が三塁打すると、続く久保のバント安打で先制。3回にも四球で走者をためたところで、3番岩原が右越え二塁打するなどで、2回から7回までは毎回得点を挙げていった。菅原の2本の長打も光るが、アウトとなったこともあったが、積極的な走塁も生きていた。

 明大中野は2010年まで指揮を執って、一旦は退いていた佐伯 勲監督が、岡本 良雄前監督を引き継いで、この秋から復帰という形になった。チームとしては、積極的に攻めていくというスタイルである。この秋は、1年生21人、2年生12人という陣容で挑む。

 昭和一学園は、この試合に限って言えば、四球で走者をためて長打を浴びるとか、大事なところで暴投など、ちょっと無駄な失点が多いかなという印象でもあった。田中 善則監督も、「秋の新チームというのは、いつもこんな感じでもあるのですが、核になってくれる選手がまだ出てきていないんです。私の中では決めているのですけれども、もう一つ積極性がなくてね」と、いくらか歯がゆい思いもしているようだ。

 そこには、やはりコロナ禍による実戦経験不足というところもあるかもしれない。試合数を積み重ねて来ていない分だけ、どうしてもあと一つ自信を持って行かれないということもあるようだ。

 とは言うものの、昭和一学園は来週5日には一本勝負のトーナメントの一次予選の試合が決まっている。明大中野も11日に1回戦が組まれている。本番へ向けて、明大中野は、なかなかいい雰囲気で仕上がっているのではないかという印象でもあった。

(記事:手束 仁